陸章 毛花売りの少女

オバさんの言語と行動

商品化早々に宣伝を仕掛けた「バラ」に早速引っかかってくれたオバさんがいた。このオバさん、メールが使えるくせに「相談」と言っては電話をかけてくる。それで、電話でなきゃならないような煩雑な話かと思えば必ずしもそうではない。メールならば二言三言で済みそうなお話、且つ、電話でもメールでも回答出来かねるようなお話なのだ。そこでいつも決まって訊かれるのは…。

「どんな組み合わせがステキかしら?」

そーゆー回答が主観に支配されがちな質問を第三者にしないでください…。

どんな色がいいかぐらいは衣装の色とかなんかで客観的に判断出来る材料がある場合は相談に乗るが、何をステキと感じるかは人によって違うでしょうよ。筆者がステキと思う組み合わせをお勧めして「でもワタクシにはステキに見えません」と返されたら身も蓋もない。まー何がステキか自分で判断出来ないような方はこちらが勧めたものに難癖付けることはまずないのだが。

なんて言っていても始まらないので、一応「アタシが無難と思う普遍的な組み合わせ」のサンプルを作って写真を送る。すると「もう少し御相談したいので明日の朝十時頃電話します」とお返事が来た。そんな朝早く(筆者にとっては標準的に就寝時間帯だ)電話されて、且つまた焦点の定まらないお話を延々とされてはかなわんので、オバさんの疑問点を解消し得る回答をメールで送っておいた。しかし、朝十時に電話は鳴った。

すまん、オバさん。アタシとしては義務は果たしたつもりなので、黙殺させて頂きます…。

んで、後程オバさんからメールが来る。「先程はお留守だったようなので」とあるが、そこに書かれていることから察するに、どうも筆者の送ったメールによって既に疑問点は解消されているらしい。ならば何故電話をする?