四章 マジック界の困った人々(男子編)

ウワサの真相(男子編)

ネットで調べ物をしている時、偶然自分の名前に行き当たった。ある男性の筆による、筆者も出場したことのあるコンテストのレポートで、各出場者の演技について「何を出した」「何を消した」などといったコトが延々書き連ねてあるシロモノだ。なんだかご苦労なハナシだが、こんなモノを書きながら人の演技を見ていて楽しいのかね?まー別に自己満足でやっている分にはいいんだけども、少なくともコレを読んで何かの役に立てる人はいないような気がした。なにしろその内容が、筆者のモノ一つとってみても実に実に不正確極まりなかったりするし。――こんな感じに。

「鈴のようなイヤリングを二つ外す。これを扇で隠すと突然一つの大きな鈴に変化する。」

一つの大きな鈴?実際はこんなブツ(下写真)なんだけどな...
一つの大きな鈴?

で、この時点で勘違いがなされているため、この後の記述が甚だおかしくなっていく。少なくとも実際の手順を知っている者には実に珍妙に感じられる。

「この鈴が消えたりする」

一度たりとも消えたりしませんとも。少なくとも「この鈴」は。

「これが二つに増え、両耳に付けたりもする」

文脈から行くと、写真のブツが分裂し、両耳に付いたと言う事になる。すげぇ!と言うか、かなり滑稽な図式――。

「扇のカラーチェンジ。(大きな扇の紙の部分が、体の後ろを回すと白から赤に変化する。)」

紅白じゃねぇよぉ!(実際は赤と緑)

「最後に扇が紅白二つに分裂する」

だから紅白じゃないってば。

「ヤールシルクから大きな扇が三つ出現」

ヤールシルク?布地屋で買ってきた普通の布ですが。しかもヤール幅(約九十センチ)ではなかったような...。

人の揚げ足ばかり取っていても仕方ないね。しかし、書き物をしたためて世界に向けて発信するならば、もちっと正確を期して欲しいモノではあるが。筆者も気をつけねば。因みに件のレポート、内容ばかりか筆者の名前の表記まで間違っていた。