弐章 マジックよりフシギ過ぎる我が生活

更にドタバタの派遣先

前の仕事が終わった翌日、なんとまた一週間の仕事が提供された。仕事の内容は、データを整理したり、表の見映えを整えたり、英文メールを読んだり書いたり。勿論電話には出なくても良い!実に筆者にとって適材適所な内容ではないか!しかも、普通に仕事をしているだけなのに、ココでもなんだかヤケに重宝がられる。

てゆーか、社員の皆さん、絶望的に手際が悪い。大手のイベント会社がこんなんで大丈夫か?と本気で心配になる程なのだ!千人規模のイベントのための宿泊・移動手段・果ては奥様ツアーの手配を一手に引き受け、コレを数人のチームで回しているようなのだが、筆者ナゾが過去に百人規模のイベントを一人で回していたのよりも原始的な手法を使っているのだ。例えば、ファックスの送り状をワードで作っていながら印刷済みのフォームのブランクに一件一件手書きで宛名や金額を入力している。

エクセルで送付先の一覧を作ってあるんだから、ワードの差込印刷機能を使ったら瞬時に終わるよ???

とゆー話をしても、「なんのことやらわからない」という顔をされたので、取り敢えず指示に従ったが。こんな大きな会社でこそ、こーゆー便利な機能が使われまくっているのだと信じていたのだが、必ずしもそういうワケではなかったのだね…。使い方を知っていても使う機会が無い~~~!差込印刷なんて一度三十通ばかりの手紙を出すのに使ったきり~~~!知識の持ち腐れ~~~!と嘆いていたが、はたまた企業さんの方では便利機能の持ち腐れをなさっていたとは…。勿論、理系に強い企業ではそんなことはないんだろうけれど。で、コチラはとことん文系なのか、と思いきや、英文メールの作製を、来たばかりの正体不明な派遣社員ナゾに丸投げしていたりするし。

この人たち、もちっと効率良く働けばアタシなんぞ雇わなくて済むのに、と思ったものの、「需要」はこのようにして「無くても良い所」から無理矢理作り出されることもあるんだった、ということを思い出したのであった。
ところで、この職場において恐れていた事態が発生した。

あろうことか勤務時間中に「ヒマになる」のだ!

それというのも、上の人々が自分のことに手一杯で仕事を整理し切れておらず、筆者にやらせる仕事を作り出せないでいるのだ。そこで、なんだか短期の派遣社員にやらせるにしてはイマイチ中途半端な仕事だったり、そんなの自分でやっちゃった方が早いんでないの?といった小さな仕事が「取り敢えず」というカンジで回ってくる。

エクセルのファイルを十ヶ所くらい書き換える仕事とか(三分で終わった)、それを整えて見やすく書き直すとか(五分で終わった)、はたまた「これやっといて」と渡された仕事は、記入すべきデータが添付されていなくて先へ進めなかったり。

一体…大丈夫なのだろうか、この会社は…?

てゆーか、このチームが携わっている週末に迫った一大イベントでは問題が大量発生するのは間違いないと思われた。世界各国の人々が集まるかなり大きなイベントだから、失敗したらこの会社の沽券にもかかわる由々しき問題だと思うのだが…担当の社員は「土下座の練習をしなきゃ」と電話口で冗談交じりの会話を繰り広げ、実にのほほんとしている。

このチームは派遣スタッフを使った経験が余りないのか、仕事の振り方がなっていないのもさることながら、仕事の説明の仕方もなんだかヘタ。わかりにくい上に仕事には関係ないどうでもいいことの説明にまで余計な時間を割く。重複する内容を繰り返す。即ち穴があるのに無駄もある。

下っ端の社員は「これはこうしなきゃダメじゃないか」と上司に注意されている場面が大変多く、その度に「はぁ」と生気のない返事をかます。やる気があるのやら。