<6>陸章<毛花売りの少女>

前書

先にも所々で述べているが、筆者は「毛花」と呼ばれるマジック用のフェザーフラワーを製造販売している。学生時代に価格の高い毛花に手が出ず、自作したのがこのキャリアの始まりだ。しかし意外や意外、マジック用品店で販売されているバカ高い商品よりも、自分で作ったものの方が明らかに見映えが良かった。

かと言って、それからすぐに商売を始めたワケでもない。学生時代以来、ものの十年以上毛花など作っていなかったのだが、あるパフォーマンスの仕事で毛花を使うことを思いつき、久しぶりに一つだけ作ってみた。そして使用した後は邪魔になったので、ネットオークションで売り払った。これが意外や意外、実にすぐに落札されてしまったのだ。

かと言って、それからすぐに商売を始めたワケでもない。当時開設していた個人のホームページに「毛花作ります」という、しかし実にやる気のないページをこさえたものの、ショッピングカートもなく値段も記載していないのに客がつくものか。本人も大してやる気がないからしばらくほったらかしてあったのだが、ある時試しに出演先のイベントでブースを出したら、意外や意外、売れるではないか!

以降、徐々にオンラインショップの体裁を整え、出演先でブースを出しまくり、「毛花工房」と名乗るまでになり、ハテは海外からも顧客がつくようになった。まーそれ一つで生活していける程でもないのだが。でもって、もともと愛想がなくて客商売が嫌いなので、徐々に規模を縮小している始末。少なくともこれが生涯の仕事であるとは思っていない。が、マジックそのもの以上に、トンデモなお客さんがトンデモな話題を提供してくれるのが、ハタ迷惑ながらもこのシゴトのもたらす利点と言えなくもない。