韓国
第4節 韓国語あれこれ

難しいのはお互い様

日本語科の学生である我がペンパル、チュヨンさんと話していて面白かったのは、日本人が苦手なパッチムの発音の話。パッチムとは、音節末に現れる、子音のみの発音の事。k、t、p、n、m、ng、l、と7種類あるが、日本人にとってとりわけ聞き分けが難しいのは、m、n、ngの3つ。難しい上に、この3つのパッチムは非常に頻繁に韓国人の名前に現れるため、彼らの名前を正確に覚えるのはなかなか苦労する。

ところが、逆に韓国人が日本語を学ぶ場合もこれがなかなか厄介な代物となる。日本語の音の中にもm、n、ngはあり、日本人は意識せずにそれを使い分けているのだが、文字で書く場合は常に「ん」である。例えば、「さんま」という単語は、実際に発音される音に忠実にアルファベットで書くと、「sam-ma」となる。韓国語で言うところの「m」のパッチムが使われている訳である。そして、日本語科の学生は、日本語の試験では「さんま」の「ん」は「m」である、と答えなければならないそうだ。

え~と…。

たとえ彼らが「san-ma」と言おうが、「sang-ma」と言おうが、日本人はたいして気にしないと思いますよぉ…。韓国語と違って、パッチムの発音の違いで意味が変わる訳じゃないんだから。試験とはそういうものなのだから仕方がなかろうか。より正確な日本語の発音体系を学ぶにはある程度知識はあった方が良いだろうが、結局意思疎通を図るのに問題ないのだから、卒業したらそんな事はあまり気にしなくてもいいよ、と彼女には言っておいた。え~~~!そうなの!今までの苦労は一体…、と、ちょっとばかりショックを受けていたようだったようだ。