韓国
第4節 韓国語あれこれ

韓国語が上達…したのだろうか?3

2004年末、韓国に出掛ける前の月はずっとドイツにいた。出発直前は一応、付け焼刃ドイツ語学習をしていたし、なんやかや出発するまでの準備が忙しく、また、帰ってからもごちゃごちゃと後片付けが続いて、韓国語を勉強する暇がなかった。いや、暇はあったのだが、勉強する気になれなかった。結局韓国へ出掛ける直前まで殆ど何もせず、前日の夜にテキスト付属のCDをちょろっと聴いたくらいか。あとは毎朝、タイマーセットされたCDプレイヤーから流れてくる韓国語音声で「睡眠学習」だ(効果ナシ)。あぁぁ、こりあマズいなァ、と思っても、後の祭り。と言うか、自業自得。ところが、現地では意外と会話が成り立ってしまったので驚いた。

まず、前の日に会って、良かったら電話くださいと言われていた相手に電話をした。彼女は英語が堪能なので、韓国語を喋る必要はなかったのだけど、取り敢えず、電話口では本人である事を確認するために韓国語で話す。

「私はかめこんと申しますが、○○さんですか?」

「あ~、かめこんさん」

「今、時間ありますか?」

「はい、大丈夫ですよ」

「そこまでどうやって行ったらいいですか?」

「今何処です?」

「私ですか?」

「はい」

「安国駅です」

「ここはアプクジョンなので…」

お~い、英語の上手なアナタを相手に、アタシャいつまで韓国語会話をしなけりゃならないのだ…。次第に話が複雑になり、聴き取りが困難になってきて、ついに音を上げる。

「ご、ごめん、英語で喋っていい?」

また、この日、あまり英語の得意でない女子大生2人が筆者をエスコートしてショッピングモールの中を連れ回してくれたのだけど、彼女達とは必然的に韓国語会話をせざるを得ない。筆者は韓国語では知っている単語を使ってしか話せない、相手の言っている事は、知らない単語が出てきたらアウト。彼女達の英語レベルも筆者の韓国語レベルと同程度。しかも、聴くのはできても話すのは苦手。従って、もの凄く単純な会話しかできなかったけれど、意外と意思疎通が図れたのには驚いた。

なかなかやるじゃん、アタシ!

あんなに勉強していなかったのに何故!?

思い当たる事は1つあった。

4月から半年間、文化センターの韓国語講座に通っていたのだけど、ここでは毎回、韓国語で自由作文をして先生に話す事が常になっていた。予め書いてきた物を読み上げても良かったのだけど、筆者は敢えてそれはせず、作った作文の骨子を覚えておき、書いた物を見ないで話すようにしていた。即ち、文章を丸暗記をするのではなく、自分の言いたい事とそれを表現するための文法事項を思い出しながら発言していたのだ。つまり実際に会話をする時と同じ手順を踏む訳である。

他の生徒さんはすらすらと書き付けを読み上げるのに引き換え、筆者の発表は、つっかえつっかえ言い淀む、惨憺たる物。しかし、これは明らかに力になっていたようだ。

まだまだヨロヨロしていて、ハッタリを効かせられる実力には程遠いが、文章を組み立てる力、ヒアリング力はわりとついたようだから、あとは正確な活用パターンをしっかり身に付け、語彙を増やせばもうちょっとマシになるかも。日本語を学ぶ韓国人の友人らに追い越されないように頑張らねば…。