韓国
第4節 韓国語あれこれ

韓国語が上達…したのだろうか?

3度目の訪韓で。

1週間以上も韓国にいると、街中での実践経験も手伝って、筆者の韓国語能力も微妙に向上してきた。どのくらい向上したかと言うと、「全然使えない」から、「殆ど使えない」になった程度なのだが…。

が、なんだかんだ言っても、韓国語の案内図を片手に地下鉄を乗り歩いていたので、文字を読むのは間違いなく早くなった。2、3文字の短い単語なら、ぱっと発音が頭に浮かぶようになってきたのだ。

そして、市場でオバちゃん達とやり取りするうちに、商品の金額や量り売り商品の分量が聴き取れるようになってきた。韓国語の数字の単位は「まん(万)」「ちょん(千)」「ぺく(百)」など、日本語の発音とよく似ているため、違和感なく耳に入ってくるのだ。また、英語でコミュニケーションを取る場合も、金額の部分だけを韓国語にする事があった。ご存知のように、西洋の数字の単位には「万」の位がない。一方、韓国では数字の単位に漢字を使用しているため、発音こそ違うが、数え方のシステムは日本と同じだ。韓国の通貨は日本よりも一桁額面が大きく、3万、30万という大きな数字が頻繁に現れるため、いちいち西洋方式に直して英語で話すのは面倒臭い。日本語の数字をそのまま韓国語で発音した方が楽なのだ。

ところで、韓国滞在中、何故だか必ず1日1回は韓国人に道を訊ねられた。助けてあげたいのはヤマヤマだが、韓国語がわからなければどうしようもない(て言うか、アタシの方が訊ねたいぐらいですってば…)。初めのうちは「私は日本人です(韓国語)」と言ってしのいでいたが、道を訊いてくる人に対して、訊かれてもいない国民名称をお答えするのはちょっと不躾な気がしたので、途中から「韓国人じゃありません」に変えてみた。が、首を振りながらごにょごにょ喋るので聴き取り辛かったのか、訊いてきた若いおネエさんが聞き違えて「え!?ココじゃないの?」と驚いたように訊き返してきた事があった。「ありません(アニエヨ)」という否定の言葉が誤解を招き易いのかも、と思い、今度は「韓国語はよくわかりません」に変えようとしたが、これがなかなかつるっと出てこなくて、実践では使いそびれてしまった。次回頑張ろう。

韓国を1人歩きするには、やはり韓国語ができた方が格段に楽しくなりそうだ。とは思うものの、日本に帰ると必要がないので結局殆ど何もしないのが現状である。海外旅行に出掛け、英語が思うように通じなくて苦労をし、「もっと英語を勉強しなきゃ」と言いつつ結局やらない人と同じである。筆者も彼らの事を鼻で笑う資格はない。

日本語のできる知人が、「アナタなら1ヶ月も韓国にいて勉強すれば、すぐに話せるようになりますよ。」とおっしゃった。まァ、それはそうかも知れないが、今のところ、留学してまで修得する熱意も余裕もないので、取り敢えず手近なところで頑張るしかないようだ。

ところで、依然筆者の韓国語運用能力はないに等しいのだが、帰国してから、明らかな違いに気が付いた。韓国語テキストを開いた時、わかる単語や文章が格段に増えていたのだ。教科書を何度読んでも頭に入らなかったものが、現地で友人に教えられたり、人の話すのを聴いたりするうちに自然に記憶されていたのだ。「殆ど使えない」までの成長ぶりもあながち捨てたものではない。